【ネタバレ無し】九龍ジェネリックロマンスあらすじ感想【オススメ漫画】
「九龍ジェネリックロマンス」という漫画をご存知でしょうか?
『恋は雨上がりのように』で有名な眉月じゅんさんが手掛ける漫画で、その名の通り、九龍(クーロン)を舞台とした作品です。
九龍ってのは、東洋の魔窟とも謳われた旧香港スラム街のことです。
本作は、「九龍×大人の恋愛×SF」というノスタルジックな要素を掛け合わせた、最高の作品なのです。
(眉月じゅんさんは、ちょっとキケンな香りがする題材を爽やかに仕立てる天才ですね。)
本記事では、「九龍ジェネリックロマンス」のあらすじと感想をネタバレ無しで書いていきます。
この漫画が気になっている方は、是非参考にして頂ければ嬉しいです。
九龍ジェネリックロマンスはこんな方にオススメ
この漫画は、男女ともにオススメ出来る作品です。
恋愛物語としても、SFとしても楽しめるからです。
構成がとっても上手いので、物語にグイグイ引き込む魅力を持った作品なのです。
もちろん、さすが「恋は雨上がりのように」の眉月じゅんさん。
大人の恋愛がみずみずしくも色っぽく描かれていて、胸キュンポイントがいっぱいあります。
ただの恋愛漫画としても、十二分に楽しむことができるのです。
ですが、ただの恋愛漫画で終わらないのがこの作品の凄いトコロ。とにかく伏線や謎が多い。
気づいたら九龍ワールドに迷い込み、考察に次ぐ考察・・とドップリ作品の世界観にハマってしまう魔力があるのです。その様はまるで九龍砦―・・。
特に、1巻のラストでガラリと物語の顔が変わります。
(筆者は思わず、「えっっっ!!!?」と声に出してしまいました。)
「九龍ジェネリックロマンス」あらすじ
主人公は九龍城砦にある不動産店、「旺来地產公司」に努める鯨井 令子(くじらい れいこ)です。
鯨井は、同僚の工藤 発(くどう はじめ)のことが、なんだか気になる様子・・。
一方で、管理している不動産物件に入った騒音クレーム、いきなり視力が回復してメガネいらずに・・・など、小さな事件が積み重なっていきます。
そんな中、鯨井はある写真を見つけてしまいます。そこに映っていたのは・・・
鯨井とは何者なのか?工藤との関係は?なんだかきな臭い蛇沼製薬・・。すべてのカギを握るのは九龍か・・!?
「九龍ジェネリックロマンス」の魅力
九龍に香るアジアの混沌とノスタルジア
九龍(クーロン)とは、前述の通り、旧香港スラム街です。
建物の上に建物が積み重なってできた砦のような外観が有名です。
「無法地帯」としても有名であったその場所は、1993年~1994年に取り壊されました。
今は無き、かつての無法地帯・・そんな場所にノスタルジックなロマンを感じてしまうのは、筆者だけではないかと思います。
(沢木耕太郎の「深夜特急」で九龍を知ってから、その魅力に心惹かれていました)
本作の舞台は、そんな超アングラで無法地帯な九龍。
なのですが、鯨井たちが生活する九龍は、アングラな雰囲気は無く、どちらかと言うと「アジアの市場」のような雰囲気です。
“九龍(クーロン)は香港だけではなく、台湾の雰囲気を反映させている。”という著者のインタビューを目にしたことがあるのですが、確かに、この漫画にはアジア特有の雰囲気があります。
スイカジュースや土産屋台など、思わず台湾旅行を思い返してしまうようなものが、多数登場するのです。
活気があって、整備されていなくて、なんでもござれ。
この漫画には、そんな混沌としたアジア市場の雰囲気が全編に漂っているのです。
そんな活気あるアジアの雰囲気を感じさせながらも、どこかノスタルジックな香りがして胸が締め付けられる・・そんな不思議な魅力がこの漫画の魅力です。
1巻のラストで物語の表情がガラリと変わる
『恋は雨上がりのように』よろしく、爽やかな恋愛漫画を楽しんでいたら、突然横っ面をバーーーンと殴られた・・・「えっ!!??」。
そんな気分になるくらい、急に表情を変えるのがこの漫画のもう一つの魅力です。
特に、第8話(単行本1巻のラスト)でガラリと印象が変わります。
第8話を読んだ後、この漫画をはじめから読みなおさずにはいられなくなると思います。
そして、2巻を読んだ後、もう一度1巻を読み直さずにはいられなくなります。
それくらい、物語が急展開し、軸が揺らぎます。
登場人物の表情が生っぽい
「恋は雨上がりのように」の時もそうでしたが、登場人物の表情がめちゃくちゃ感情的なので、最高に胸キュンします。
生っぽい表情っていうんでしょうか、なんだかドキドキするんですよね。
まとめ:まずは試し読みをオススメ
改めて、この漫画をオススメするのはこんな方です。
大人の男女に刺さる漫画だと思うので、社会人恋愛をしている方は読んでみてください。
試し読みもできるので、気になった方は読んでみてください。
(ただし、本当の魅力がわかるのは8話以降なので、8話まで読んでみることを強くオススメします)