【OITNB】『オレンジイズニューブラック』ネタバレ感想【Netflixドラマ】
Netflixオリジナルドラマ『オレンジイズニューブラック(OITNB)』を全話観終えましたので感想を書いていきます。(シーズン7の感想多めです)
(ネタバレ有なので、まだ観ていない方はご注意ください)
最初はなんとなく観始めただけのドラマでしたが、最後まで完走した今となっては、「この名作に出会えて本当によかった」と感じています。
最終話、エンディングで号泣でした。
特に、ニッキー・・。
ニッキー役のナターシャ・リオンが涙を堪えながら冗談を言うけどやっぱり泣いちゃうシーン・・・こっちも号泣でしたよ。
無知無関心な私に考えるきっかけをくれた
このドラマは、コメディ調ではありながら、アメリカが抱える数多の社会問題を取り扱っています。
・刑務所民営
・人種の分断
・人種差別
・看守と服役者のドラッグ売買
・服役者の人権
・看守の服役者虐待
・移民問題
・服役後の社会復帰
・不妊治療
・Mee Too運動
・認知症
・貧困の格差とその連鎖
・薬物依存
・学習障害
恥ずかしながら、これまで私はこういった社会問題をあまり自分ごととして捉えていませんでした。
無知で無関心だったのです。
このドラマはそんな私に「学び、考え、自分の意見を持つ」きっかけをくれました。
登場人物に感情移入することで、ようやく「自分ごと」として考えることができたのです。
そういう意味で、ドラマや映画って「人を動かす」ことができる物凄いコンテンツですよね。
今は、このあまりに不条理で非情なこの世界を、少しずつでも改善していきたいと思っています。
特に、無罪であるテイスティが黒人であるということでスケープゴートにされ、暴動と殺人の責任を一身に背負い、有罪判決が下った件については、クソみたいな世の中だな・・と怒りを感じました。
「テイスティの終身刑への向き合い方」の描写は辛かった・・。
テイスティはそんな絶望的な状況にいながらも、次第に
「服役の意味とは何か」
「服役後の再犯率を下げるために自分には何ができるのか」
を模索していくのですが、とにかくやりきれなかった・・。
何故、無実のテイスティが終身刑なのか・・
テイスティが幼少の頃、カプート&ナタリーと出会えていれば・・と悔しくて仕方がありません。
カプート&ナタリーが養子をもらいに行った際、最初は「赤ちゃんから育てたい」とか言ってたのに、歌っている子を見た時の2人の顔といったら。
歌っている子がテイスティの幼少期に重なって、切なかったです。
口は悪いけど情に厚く、カプートのMee Too問題すら笑い飛ばすナタリーの強さでテイスティを支えてほしかった・・。
好きなキャラはニッキーとペンサタッキー
このドラマは、重いテーマばかり扱っているのだが、キャラがとにかく魅力的だから惹き込まれるのです。
主役はパイパーなのですが、
それぞれが主役といっても過言ではないし、彼女達が現実にいるのではないかと錯覚してしまうくらい感情移入してしまう。
役者もみんな素晴らしい。
(個人的には、彼女たちの過去を演じる役者や子役が、彼女たちのしぐさや表情のクセを完コピしているのが凄いと思った。特に、ニッキー役の子)
好きなキャラは、ニッキーとペンサタッキー。
(ナタリーも大好きです。)
ニッキーはジャンキーだけど、マジ惚れしそうになりました。
軽口ばっかでチャラ男みたいなんだけど、優しくて繊細で。
薬のためなら何でもするような時もあって、一時嫌いになりそうでしたが、仲間思いで情に厚いニッキーがやっぱり大好きなのでした。
ラストのニッキーの姿には号泣してしまいました。
赤い口紅をひいてキッチンを仕切り、仲間の面倒を見る彼女の姿は、かつてのレッドを彷彿とさせましたね。
ローナの最後を見る表情もヤバかったですね・・。(泣)
彼女は服役を通じて良い方に変われた1人です。
もう1人のお気に入りキャラ、ペンサタッキーも刑務所で良い方に変わった人物です。
彼女は、生まれた環境が最悪という不幸な人物。
(母さんが補助金のために幼少期のペンサタッキーに酒1瓶飲ませたりするのです・・。)
ジャンキーで歯が無い時代はとんがりまくっててペンサタッキーが嫌いでしたが、シーズンを重ねるごとに癒し系担当キャラに。どんどん好きになっていきました。
実は子供のように純粋な心を持つ、天使のような子だったのです。
ペンサタッキー&ブーのコンビ、大好きでした。
ゆえに、ペンサタッキーの死は受け入れがたかった・・・。
高卒認定試験、受かってたのに。
「環境が変われば、誰だって何かを成し遂げられる」と証明してくれたのに。
あんまりだよ。
スーザン主宰の追悼シーンは最高に泣けました。
フード被るペンサタッキーのクセをみんなで再現するアイディアってスーザンだからこそできたことだよね。
ペンサタッキーやニッキーとは反対に、服役を通じてどんどん悪い方に流されていったのは、ダヤ。
彼女も、生まれた環境に恵まれなかったことが不幸の始まり。貧困と犯罪と不幸が連鎖していくワケですが、それが刑務所でどんどん悪化していくのです。
彼女の母のアライダは、彼女なりに頑張っているのですが、貧困であるがゆえに学が無く、それがさらなる悪循環を生んでいく・・と、親子ともども負のスパイラルから抜け出せないんですよね。
結果的に、母アライダが自ら娘のダヤを薬漬けにしてしまう。
それは他に稼ぐ手段を知らないから・・。
ラスト、スーザンが檻に閉じ込められる鶏の様子を観て言い放った、「自立できるように育ててない。(これじゃあ)薬物に走るよね。」という言葉が、刑務所の仕組み自体を指しているようで、心に残りました。
【あわせて読みたい】
yuruyuru-entertainment.hatenablog.jp